輝きつづける明日へ 常陸太田市議会議員 平山晶邦(ひらやま まさくに)

平成25年12月定例議会 一般質問

  1. 本市の人口減少問題に起因する限界集落問題について
  2. 本市の商工行政について

一般質問内容

平山晶邦:平山晶邦です。一般質問に入ります。

私は先日、茨城新聞の県内市町村11月1日現在の常住人口記事を読み、改めて常陸太田市の人口減少の厳しさを確認しました。常陸太田市は10月単月でマイナス84人、常陸大宮市ではマイナス11人、那珂市はプラス19人で、近隣の市の中で断トツの人口減少でありました。常陸太田市の人口が、今年6月に那珂市に抜かれてしまったことは皆様もご存じだと思います。11月現在、那珂市は5万3,854人、常陸太田市は5万3,600人であります。現状のままでは10年後には常陸大宮市にも抜かれてしまう予測が立ちます。常陸大宮市も本市と地政学的には似通った自治体です。美和、緒川、山方、御前山という過疎地域を持っています。面積も常陸太田市に次いで広い面積を有しています。高齢化率も常陸太田市と変わりません。しかし本市と比較して人口減少が低位となっている。そして出生数が多いのはなぜでしょうか。

日本全体が人口減少であるから常陸太田市も例外なく人口が減ることは当然だと思っていては大変な状況が生まれるのではないかと心配をいたします。常陸太田市は、県内でも超厳しい人口減少自治体で、人口減少により地域の社会経済や住民の生存基盤そのものが崩壊することも否定できません。市税が減少し、商店がなくなり、地域コミュニティが崩壊し、医療過疎や公共交通弱者を作り、社会保障費の高どまりなどという地域経済や社会機構や自治体財政の行き詰まりという人口減少から生じてくる事実を直視していかなければいけないと考えます。

一般的に、人口減少のプロセスには3つの減少段階があると言われます。第1段階は、老年人口の増加、生産・年少人口の減少。第2段階は、老年人口の維持、微減、生産・年少人口の減少。第3段階は老年人口の減少、生産・年少人口の減少です。私は、常陸太田市は絶対人口が減少する第3段階の老年人口の減少と生産・年少人口の減少の同時減少状況にある自治体だと思っています。

本市の人口減少をもっと詳しく分析すると、総人口の減少よりも生産年齢の人口減少が大きくなっていることは問題です。生産年齢人口の実態をもっと詳しく掘り下げ、18歳から60歳までの就業人口で見ると、就業者人口が総人口の50%を切ってしまっているという本市の人口減少の問題点が理解され、本市の人口減少が抱える深刻さが理解できると思います。人口減少の問題は決して遠い将来の話でなく、まさに現在のことなのです。

以上のことを前提として今回の質問をいたします。

第1の質問は、限界集落という切り口で人口減少に伴う地域コミュニティの集落機能をいかに維持するかについて質問をいたします。

限界集落という意味は、皆様もご存じだと思いますが、人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって、社会的共同生活の維持が困難になっている地域を言います。現実に私の町会、すなわち回覧板を回す単位の最小単位のコミュニティでは、町内の役職を行うことが今後困難になってしまうのではないかと思われる状況です。3年から5年後には社会的共同生活が困難な状況が生まれてしまうでしょう。本市においても老人会の役員になり手がいなくなり、解散したとか町会長の人選ができなくて町内で何回も集まりを開いているが決まらないとかという話を聞きます。地域コミュニティが危機にあることは間違いありません。

現実的に、人口減少に伴って地域の社会機構や環境が変わっていくことにどのように対処していくかということが大きな問題となってまいります。市の将来ビジョンを描く際に、まず把握しておかなければいけないのは人口動態であると言われます。

そこで1番目の質問として、本市は人口減少の地域別・世代別・老年・生産・年少別人口流出状況の把握や、5年後、10年後における本市の分析を行って対応策等の検討を図っておられるのかをお伺いいたします。

2番目の質問として、本市において集落を町内として見た場合、現在本市には限界集落、言いかえれば「限界町内」があるのか、また、将来にわたっては、限界町内がどのぐらいになっていくかという予測を行っているのかについて伺います。

3番目の質問として、限界町内のコミュニティ機能をどのように維持していくおつもりなのか、今後の方策と対応についてお伺いをいたします。

4番目の質問として、限界集落の中の独居高齢者や超高齢者宅に対する安全対策や買い物難民対策や医療介護対策など、生活していくための対応はどのように考えているのかについてお伺いをいたします。

以上までが第1の質問です。次に、大きな第2の質問として、本市の商工行政について質問をいたします。今の若い人たちは、ネットショッピングや県外まで出かけていき、生活用品や生鮮食品を求めているようであります。私などが想像つかない消費動向があり多様性に富んでいます。また、買い物は地元でなどという感覚は市民の中には難しく、近隣市町村であっても自分に合った買い物を行っています。そのような状況の中で、地元商店主などからは、「閉店するほかない」とか、「俺の代で店は終わりにする」という話を聞かされます。そこで、常陸太田市の商工業者の売り上げはどのような状況になっているのか。市は今後の商業者とどのように向き合っていくつもりなのか伺います。

1番目の質問として、常陸太田市の商業者の売り上げ実態や実績はどのような状況にあるのか。実績を通じて市はどのように分析をして今後の商工行政を行うのかということについてお伺いをいたします。

2番目の質問として、消費に関しても本市の大きなキャッシュフローは高齢者の方々の年金です。また、高齢者の方は地元で買い物をする率が大きい方々です。しかし、高齢者の年金の減額や高齢者の絶対数が減少する状況では、本市の商業環境を考えると商業者の売り上げは今後ますます厳しくなることが予測されるのではないでしょうか。市としての考えをお伺いいたします。

3番目の質問として、2年前から商工会が行っているプレミアム付商品券が市民の中に浸透して好評であると思います。そしてプレミアム付商品券の事業は、市民が本市の多様な商業者において使用するという市の中でお金が循環することで、市民にとっても本市の商業者にとっても有効施策であると考えます。プレミアム付商品券の状況についてお伺いをいたします。

以上、大きな2項目について質問し、1回目の質問といたします。

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。総務部長兼政策企画部長。

総務部長兼政策企画部長:本市の人口減少問題に起因する限界集落問題についての中の、人口減少についての地域別・世代別・老年・生産・年少別の状況や、5年後、10年後を見据えた分析ができているのかとのご質問にお答えをいたします。

まず、今日までの人口の推移につきましては、住民基本台帳の人口の集計結果をもとに、月別に、町内別、年少・生産・老年別の状況について把握をしています。

例えば、金砂郷地区のある町会の事例で、合併時の平成16年12月と本年12月の比較を行いますと、その町会では人口が499人から442人に、年少人口が70人から51人に、生産年齢人口が299人から252人に、老年人口が130人から139人に、高齢化率についても26.1%から31.4%となっており、町会ごとにそれぞれ同様の実態を把握しております。

また、5年後、10年後における分析につきましては技術的に難しい面もあるため、町会ごとの推計までは行っておりませんが、今後は町会などのコミュニティ組織を1つの生活圏として維持していくことが困難になっていくことなども想定されることから、地域ごとにさまざまな対策を講じていくためにも、議員ご指摘のような将来を見据えた状況の把握を行っていく必要があるものと考えております。

次に、限界集落の現状は本市にあるのか、将来はどのように予測しているのかとのご質問にお答えをいたします。

いわゆる「限界集落」という言葉につきましては、必ずしも明確な定義が確立しているわけではございませんが、一般的には65歳以上の高齢者が集落人口の半数を超え、冠婚葬祭を初め、社会的共同生活の維持が困難な状態に置かれている集落と言われております。

限界集落の1つの目安である高齢化率50%以上という指標で当市の町会の状況を見ますと、平成25年12月1日現在で、常陸太田地区に5町会、東三町が59.0%、西二町56.5%、長谷町62.5%、上土木内町56.0%、西河内上町55.4%でございます。それ以外にも高齢化率が40%を超える町会が常陸太田地区で7町会、金砂郷地区で4町会、水府地区で8町会、里美地区で1町会ございまして、これらの町会が将来的には高齢化率50%以上になってくることが予想されます。

議長:市民生活部長。

市民生活部長:地域集落のコミュニティをどのように維持していく方策や対応を考えるのかとのご質問にお答えいたします。少子・高齢化や人口減少が進む本市におきましては、地域集落、いわゆる町会単位でのコミュニティ組織だけでは、活動の担い手不足などにより、これまでのような地域の自治活動の維持が困難な状況に来ております。このような状況を踏まえまして、平成21年11月に、市民を委員とする「市民協働のまちづくりを考える会」を設置し、今後の地域コミュニティのあり方についての話し合いを行っていただきました。その結果、平成24年1月に、協働のまちづくりの提言書として提出されたところでございます。

この提言書では、今後の地域コミュニティのあり方について、小学校区程度の範囲で各町会、公民館及び各市民活動団体などが一堂に会し、幅広い意見交換や情報の共有化を図りながら、連携して事業等を行うことにより、地域活動の活力の維持と地域内の結びつきが一層強められるよう、新たな地域コミュニティの組織づくりの必要性について示されております。

本市ではこの提言を受けまして、現在、地域に出向き新たな地域コミュニティづくりの趣旨を説明し、地域関係者のご理解、ご協力のもと、この取り組みを進めているところでございます。そして、ここでの話し合いを通しまして、地域内における協力、連携体制の整備を行い、地域内での支え合いによる地域活動の基盤となる地域集落の活力と維持に努めてまいりたいと考えております。

議長:保健福祉部長。

保健福祉部長:集落の中の独居高齢者や超高齢者宅の安全対策など、生活対応についてお答えをいたします。ひとり暮らし高齢者の安全対策でございますが、援護を必要とする高齢者一人ひとりを見守る近隣住民などによる地域ケアチームの取り組みを進めております。また、地域ケアチームを組んでいるひとり暮らし高齢者に対して、日ごろの協力者、家族、親戚などの氏名、連絡先などが記載されている「見守りネットワーク連絡カード」を作成いたしまして、冷蔵庫の横に張りつけるなどしており、緊急時に家族への連絡がとれる体制をとっております。

現在、日ごろの近隣住民による見守りや災害時における地域の支援者が記載されている災害時要援護者台帳を整備しておりまして、自主防災組織、消防団、社会福祉協議会などと情報の共有化を進めているところでございます。

今後、災害時要援護者台帳に登録されました方々につきまして、地域ケアチームにつながるよう取り組みを進めているところでございます。また、配食サービス、緊急通報装置設置などの福祉サービスによる見守りとあわせまして、郵便局、新聞販売店を初めとする民間の14業者と高齢者等の見守りに関する協定を締結しておりまして、高齢者が安全に暮らせる重層的な見守り体制を進めております。

次に、買い物難民対策でございますが、現在、市内の商店による宅配買い物代行サービス事業を初めとして、JA茨城みずほや市内のスーパー、生活協同組合などの民間事業者による食料品等の宅配サービスが行われております。また、太田地区北部、金砂郷地区、水府地区、里美地区では、9事業者により定期的な食料品などの移動販売を行っている状況でございます。

今後も買い物対策につきましては、民間事業者との連携の可能性を模索しながら検討を進めてまいりたいと考えております。

次に、医療、介護対策でございますが、要介護の状態でも自宅での生活が問題なく続けられるようにしていくためには、市内の医療機関と介護機関との緊密な連携によるサポート体制を整備する必要があることから、現在、県の補助事業を活用いたしまして、在宅医療、介護連携推進事業に取り組んでいるところでございます。

本年度の事業内容としましては、市内の現状を把握するためのアンケートの調査を実施しております。そして、医師会を初め、医療、介護など関係職種同士の顔の見える関係の構築と事業内容を検討するため、管理者レベルと実務者レベルの推進協議会を設置してまいります。

また、市民の皆様、医療、介護関係者の方々の理解を深めることを目的に、在宅医療、介護に関するシンポジウムや研修会を開催することとしております。これらの事業の実施により、常陸太田市における在宅医療、介護連携のための土台作りを進めているところでございます。

以上です。

議長:産業部長。

産業部長:本市の商工業者についてのうち、人口減少などや市民の消費動向の多様化などによる商業者の現状と方向性につきましてご答弁を申し上げます。まず、本市商業者の現状分析についてでございますが、商業統計の調査結果によれば、平成16年6月1日現在の商業者数は、卸売業95社、小売業581社、合計676社でございましたが、平成24年2月1日現在の経済センサスの調査結果によれば、商業者数は卸売業59社、小売業365社、合計424社でございます。ここ8年間において、卸売業36社、小売業216社、合計252社が減少している状況でございます。

また、年間商品販売額につきましては、平成16年6月1日現在が537億5、727万円に対し、平成24年2月1日現在では341億1、500万円となり、196億4、227万円の減少となっており、ただいま議員ご指摘のとおり大変厳しい状況にございます。

また、過去8年間の商工会の退会者でございますが、退会者441事業者のうち約3割に当たる139事業者が商業者でございます。そのうち約9割の120事業者が廃業による退会であることを踏まえますと、商業者数が減少している主な原因は、業績不振や後継者不足などによる廃業であり、年間販売額の減少につきましては、近隣市町村の大型店舗の台頭、本市商業者の減少に加え、東日本大震災による風評被害などによるものと捉えております。

続きまして、高齢者の絶対数の減少による商業者の事業状況は厳しくなるとの予測に対する本市の考えについてでございますが、茨城県広域消費動向調査結果報告書によると本市内の買い物依存率は1978年の調査時には50%を超えておりましたが、1994年においては、旧常陸太田地区は35%、水府地区は50%を超えていたものの、金砂郷地区及び里美地区は50%以下の状況にございます。

また、平成23年度に本市にて実施いたしました高齢者ニーズフォローアップ調査結果によると、高齢者の約9割が近所の商店や市内の商店にて買い物をしている状況にあり、買い物依存率と本市市内の商業者の減少を踏まえますと、生産年齢層における本市への買い物依存率が低い傾向にあると推測できることから、ただいまの議員のご指摘のとおり、今後高齢者の絶対数の減少により、本市商業者における状況がさらに厳しくなるものと認識しているところでございます。生産年齢層における本市への買い物依存率が低い理由といたしましては、昨今のニーズの多様化、モータリゼーションや道路交通網の整備による商圏の変化、そして近隣市町村における大規模ショッピングモールの台頭、そして情報通信網の発展に伴うインターネットショッピングなど

購入方法の多様化などによるものと推測しております。このような厳しい経済状況に対処するため、商工業者の取り巻く状況の把握に努め、市商工会とこれまで以上に連携を図り、経営改善指導などに加え本市創業者の振興となる支援策を講ずる必要があると考えております。

続きまして、プレミアム付商品券の状況についてでございますが、東日本大震災以降低迷する消費需要を喚起し、個人消費を拡大することにより震災復興、地域商工業の活性化を図ることを目的といたしましてプレミアム付商品券について支援をしてまいりましたが、平成23年度の発売より本年度の販売において売り切れ期間が大幅に短くなるなど、市民の皆様に徐々に浸透しつつある傾向にあると認識しております。

また、購入者数につきましては、平成23年度の4、280人に対し、本年平成25年度には3、713人となり、1人当たりの購入単価が上昇している状況にございます。また、市が補助しておりますプレミアム分が消費に回ることや、大型店舗での利用制限により中小商工業者への利用を促すこととなるため、一定の経済効果があったものと認識しております。

来年4月から実施されます消費税の増税により、消費の押し込みが懸念されており、さらに商工業者の経営状況が厳しくなるものと予想されることから、今後プレミアム付商品券の継続など、市内商工業者への支援につきましては、商工会と連携を図りながら引き続き検討してまいります。

2回目の質問

議長:平山議員。

平山晶邦:ただいまは詳細にわたるご丁寧な説明をいただきありがとうございました。2回目の質問をいたします。1番目の人口減少に伴う地域コミュニティの機能をいかに維持するかという質問、その1番目の人口減少の将来予測についてなんですが、これは質問ではなくてお願いですけれども、私個人が2年くらい前に、こういう形で常陸太田市の人口動態を自分なりに分析いたしました。そして10年後の常陸太田市は、60歳以上の人口が50%を超えてしまうということで市民にお知らせをいたしました。それからもう2年たっているわけでございますから、あと8年後には60歳以上──これは高齢化率ではございませんが、これが半数以上になる「準限界自治体」と申しますか、そういう自治体になるということだと思っております。

先ほど部長からのご答弁にありましたように、5年後、10年後、常陸太田がどのような形になるのかというのは、これは行政の事業を進める上で大切な要素だと考えます。ですから、市の職員の皆さんの英知を集めればそんなに難しい問題ではなく、地域別、世代別、人口流出状況の5年後、10年後の人口動態の分析は、現在でも行えると私は考えております。そして地域や世代別実態に即したきめ細かな行政施策を行い、ぜひとも人口減少に歯止めをかけていただきたいと思っております。これはよろしくお願いいたします。

また2番目、3番目、4番目の限界集落に対する対策でありますが、常陸太田市の現状からして、そして今後を予測して「限界町内」をなくすことは難しいのではないかと思っております。厳しい見方をすれば、もう限界集落になって、極端に言えば、あと何年か後にはコミュニティが活動できなくて消滅する町内が常陸太田市には現出してくるといっても過言ではない、そういう見方もできるかなと考えます。

けれども私は、限界町内をなくすのではなくて限界町内に住んでいる人に対して市はどのようなコミュニティ機能の仕組みを提案できるか、そして常陸太田市民としての安全・安心を担保とした行政サービスをこれからも提供し続けられるのかと、そういうことだと私は考えています。

改めてお願いをいたしますが、各部門にわたって詳細なご答弁があったように、細かい対応を現在でもしているということでございますが、それをもっと現実に即して、そしてその中で変えるものは変えて新たな施策を行っていくことが大切なのではないかと思います。それにはやはり、今後人口減少によって予見されるであろうことをいち早く取り入れた常陸太田市スタイルを確立して、仕組みや施策を実行に移していっていただきたいと考えております。

人口減少問題については、最後に常陸太田市をあずかる責任者として市長のご所見をお伺いしたいと思います。

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。市長。

市長:人口減少に対してはできるだけ抑制していきたいということで、これまでも行政執行をしてまいりました。その中の大きな目玉といたしましては、子育て支援に対する財政的な支援等々でございます。先ほど議員のご発言の中で、常陸大宮市あるいは那珂市との比較においてのお話がございましたので、今申し上げました2市よりもなぜ常陸太田市の人口減少が早く進んでいるか、結果論から言いまして、1つには毎度申し上げておりますけれども、若い人たち──労働人口と称される人たちの働く場所が極めて少ないことが大きな要因となっているところでございます。

具体的に数字で申し上げたいと思いますが、国勢調査が5年ごとに行われますけれども、その中で常陸太田市の働く場所の確保という観点から製品の、いわゆる工業製品、第二次産業といいますか、製品の出荷高を見てみますと、常陸太田市は年間426億円強の状況でございます。これに対し常陸大宮には、ご案内のとおり水戸北部工業団地が早くからございます。そこを中心とした製品の出荷高が902億円、常陸太田市の倍以上になっている状況です。

あわせまして商品の販売額等々で見てみますと、これは平成19年のデータでございますが、常陸太田市は510億円、先ほどの産業部長の答弁の数字と年次が若干違いますので数字は合わないかもしれませんが、比較の上で510億円、そして常陸大宮の商品の販売高が750億円、それから、那珂市の商品販売高が765億円ということで、この製品出荷高、さらには商品販売額等においては、当市をはるかに上回っている状況にあります。

ということは裏を返しますと、この第二次産業、第三次産業の場で働く雇用の場が当市よりも大きいということが背景としてあるわけでございます。これらに対しこれまでも企業誘致等々進めてきた理由としては、そういうことを申し上げることができるところでございます。

ちなみに、なぜ常陸太田市の商品販売額が少ないかということを考えましたときに、那珂市、常陸大宮市はそれぞれ国道349号の沿線、あるいは118号のバイパス沿いに比較的大型の商業施設が立地しているのはご案内のとおりでございます。

比較しまして常陸太田市は、349号、バイパス沿いに大型商業施設等々の進出ができていない、そのことは大きな要因として言えると思います。なぜそうなったか、1つには里川西部圃場整備事業の換地等にかかわる問題で12年間の農地転用の凍結がなされてきたことが、結果からではございますけれども、非常に大きなマイナス要因として働いたことだと思っているところであります。

これらを踏まえまして、従来からやっております子育て支援に加えて、なお一層商工業等を中心とした企業の誘致を進め、若い人たちの働く場の確保を進めていく必要があると思っているところでございます。

ちなみに、先ほど人口減少を単月で毎月毎月ご報告をさせていただいておりますが、12月1日現在の人口の動態がわかっておりまして、まだ新聞報道しておりませんけれども、5年ぶりに11月単月での人口減少がプラスマイナスゼロになったところでございます。これがこれまでの人口減少抑制策の効果だと即思えないと認識しておりますけれども、こういうことを続けながら地道に人口減少対策を進めていきたいと思っております。

以上でございます。

3回目の質問

議長:平山議員。

平山晶邦:ありがとうございました。

私も3月議会のときに、子育て支援の事業は県内に先駆けてやってすばらしいことだなと。しかしこれはやはりカンフル剤的な要素でありまして、ぜひともそれが着実に根づくような、そして町に勢いを取り戻すような対策をこれからもぜひともよろしくお願いしたいと思っております。

次に、本市の商工行政の質問でありますが、この質問を私が考えたのは、12月1日に町内の研修会があって、町内会長を初め協議委員さん──町内によっては運営委員さんというのかもしれませんが、9名と話をしたときに、つくば市にできた会員制のアメリカ資本の量販店の話になったんです。そこで9名のうち2名のご家族が埼玉県三郷市の量販店に2カ月に1度の割合で出かけていって生活用品や生鮮食品を買っているという話を聞いたとき、高速を使ってガソリン代までかけて、1回行くと四、五万円のお金を使ってくるという話を聞いたときに、これは私の想像を超える消費動向になっているなという驚き、それと同時に本市の商業に対する危機感を私自身が持ったんです。

そして、これらのアメリカ資本のスーパーがひたちなか市に進出してくる、また、那珂市には大手量販店のメガアミューズメントストアといいますか、そういうふうなものが進出してくる。今、流通業というのは大変大きな転換期を迎えているなという思いを強く持っておりまして、これでは常陸太田市の商業者の売り上げは大変な状況になっているのだろうと考えました。現実に、先ほど部長よりご答弁いただいた1番目の実績は、やはり深刻な状況であることは理解いたしました。市も商工会などと連携を図って状況分析をしっかり行っていただけるということでありますから、ぜひともよろしくお願いしたいと思います。

2番目の高齢者の消費をどう確保していくかということについて、現在のところでよろしいんですが、もっと詳しいお考えがあればお聞きしたいと考えているんですが、よろしくお願いします。

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。産業部長。

産業部長:高齢者の買い物対策につきましてでございますけれども、高齢者のニーズフォローアップの調査でもわかりますように、高齢者の方の買い物を見てみますと近所で買うのが多いように回答されております。また、家族の人に買い物を頼むという状況で、いわゆる買い物難民といいますか、買い物がなかなか大変だと、困難だということがございます。

そういうことを考えますと、先ほど担当部長のほうからも答弁させていただきましたように、市内の宅配サービス事業は民間事業者が進んでおるという状況がございますので、これらのことを考えますと、今後の対策としましては、民間事業者の宅配サービスとの連携の可能性を模索しながら検討していくことが必要だと考えております。あわせまして、今後民間事業者、そして商工会ともさらに連携を図り進めていく必要があると考えております。

以上でございます。

4回目の質問

議長:平山議員。

平山晶邦:ありがとうございました。1点だけ今の答弁で、一般の品物は大丈夫ですが、今よくガソリンスタンドの危機といいますか、過疎のガソリンスタンドの過疎化といいますか廃業という形で、燃料に関しては今言ったような宅配というのは非常に難しいです。ですから、一般の生活物資等はそれで充足できるのかなと考えますが、地域のガソリンスタンドをなくさないような施策も、ぜひとも商工会などと協議してやっていただきたいなと改めてお願いをしておきます。よろしくお願いします。

3番目のプレミアム付商品券の問題は、私は現在のところこの施策より有効な商業振興策は本市ではないのかなという思いでおります。先ほどのご答弁でもありましたものですから、商工会との連携でこの事業の拡大を期待いたします。ぜひよろしくお願いいたします。それからもっと膨らませて拡大した予算取りもお願いしたいなと。来年は合併10年ですから、合併10年に向けての予算取りもお願いしたいなと考えます。

最後に私、人口減少の所見を述べさせていただきたいと思うんですが、今年3月に国立社会保障・人口問題研究所が、日本の地域別将来推計人口を出しました。この中で日本の人口減少が本格化し加速度的に進行していくことを明白にして、集落が消滅するということも具体的に2040年を基準にして出しております。限界自治体が生まれていることに対しても警鐘を鳴らしております。

私たちが住む常陸太田市は、茨城県の中でも加速度的に人口減少が進捗する自治体だと私は認識しております。ただ残念なことに、市民の中には「全国でもそうだから、常陸太田市も少子・高齢化は当たり前なんだよな」ぐらいの認識しか持っていないのかなという感じがいたします。常陸太田市は先ほども申し上げましたように、少子化でなおかつ高齢者人口が減少する絶対人口減少の自治体になっていると。なおかつ限界集落があると。人口減少が及ぼす社会的環境変化や行政環境の変化が迫っていることにはまだ気づいていません。人口減少の怖さを理解していないというふうに思います。人口減少という近未来の危機に立ち向かうには、みんなが──これは市民、執行部、私たちもそうでしょうが、事実を直視して危機感を共有するところから始めなければいけないと、いろいろな方が申しております。厳しい将来予測をして冷静に受けとめつつ一刻も早く......、一刻も早くというのは先ほど市長がご答弁されたように、雇用する、そういうような就業人口を増やすということもあるのかもしれませんが、行政自体も一刻も早く有効な対策を講じていかなければいけないと考えております。執行部の皆さんのこれからのご奮闘を期待して、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

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