輝きつづける明日へ 常陸太田市議会議員 平山晶邦(ひらやま まさくに)

平成24年12月定例議会 一般質問

  1. 複合型交流拠点施設整備の進捗状況について
  2. 常陸太田市西山研修所の運営についてと旧学校施設の利用について
  3. 施設の運営管理費増加と今後の財政状況について

一般質問内容

平山晶邦:平山晶邦です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。

今回の質問を考えるとき、まず認識しておきたいことがございます。それは、常陸太田市の現状とこれからです。常陸太田市の財政力指数は0.41と、県内市町村の中で最低に近い状態です。今後も18歳から60歳までの現役世代の減少が続き、震災以後は固定資産税の落ち込みもあり、市税、歳入の改善はいまだ見られておりません。

高齢者率は県内市町村の中で最高に近く、高齢者が多く人口減少は大変な勢いで進んでいる市です。生活保護世帯も増加しています。今後、本市の社会保障費の増大を予想しなければなりません。子どもの出生数は県内市町村の中でも最も少なく、人口比では県内最低の出生数ではないかと思います。地域に子どもの声が聞こえない、活気がない地域となっています。また、生活道路である市道の舗装整備率は県内で最低です。

市民からは、常陸太田市のまちづくりは、那珂市や常陸大宮市と比べても見劣りしていると言われ、本市で買い物をする人は、生鮮産品以外はほとんどが市外に買い物に出かけてしまうという状況です。食事などの外食関係も同様な状況です。若い人からは町に勢いが感じられないと言われています。那珂市や常陸大宮市や近隣の市町村に住んでいる人からは、常陸太田なんか行ったことがない、用事がないと言われます。そして、本市は行政面積が県内一であり、行政コストが多くかかる市になっています。このような状況に常陸太田市があることの認識が必要ではないかと考えます。

また一方、国も国家財政が厳しい中でどのような国家経営をしていくのかということが大きな問題で、今般の衆議院選挙の争点もこの点にあると私は思っています。国の動きの中でこの3カ月ぐらいの間に、私たちが関係する地方公共団体にとって関係のある大変大きな動きがあったという認識を持たなければいけないとも考えています。

1つには、特例公債法案が設立しなければ国の資金が枯渇する時代、すなわち政府閉鎖が現実味を帯びたということであります。茨城県は予定していた事業を延期するという、今までになかった状況が地方に生まれました。2つには、地方公務員の交付税に算定されている地方公務員給与関係費を減額するという財務省の方針が示されたことであります。地方交付税の減額が現実となります。27年度まで常陸太田市交付税がそのまま来るということがなくなるかもしれません。3つ目に、今回の選挙において地方交付税の地方税化が争点になってきていることです。選挙の争点に地方交付税のあり方が話題になったことは今までにないと思います。

国の動きのこれらの3つの問題は、今後紆余曲折があるでしょうが、国の交付税や交付金のあり方の変更を間違いなく予感させるものであり、現在の地方行政を取り巻く状況が厳しい方向で変化していくことは事実です。私は今までも議会の場で申し上げてまいりましたが、常陸太田市のように交付税、特別交付金など国からの歳入に頼っている市には財政が厳しい状況になっていくと考えます。厳しさが現実味を帯びてきたように思います。常陸太田市にとっては、今後の国や県の状況変化を敏感に察知した行政運営を行っていくことが大切です。以上のことを前提に質問を行います。第1の質問として、複合型交流拠点施設整備の進捗状況について伺います。私は、23年3月議会でこの問題を質問いたしました。そのときの答弁と、9月議会の中で同僚議員の質問に対して震災後に変化した本事業を取り巻く周辺、社会環境等を踏まえた現計画の検証を行うための調査業務を6月から10月までの工期で進めているという答弁をもとに、現在の複合型交流拠点施設整備の進捗状況を質問いたします。

質問の1つ目として、施設整備事業費13億円、利用者36万人、損益分岐点4億2,000万円の事業計画、経営計画に変更はないのかをお伺いをいたします。

2つ目として、市長は3年から5年目には黒字化を見込んでいると。仮に黒字化ができなくても産業活性化、地域振興を図るためには公共投資が必要であるという答弁をしておりますが、どのような経営を行い黒字化を図っていくのかを伺います。また市長は、答弁の中で交流施設そのものが利益を生み出すことを追求するものではなく、地域全体の波及効果を生み出すと答弁をしておりますが、この施設をつくることによって、常陸太田市の交流人口や産業振興などの地域全体の経済効果はどのように計画されているのか、現在よりも人数や金額で拡大していく計画を持っているのかをお伺いいたします。

3つ目として、公設民営化方式の第三セクター株式会社の出資は、市のほかに誰が出資することになっているのか。個人や団体はどのような扱いを考えているのか。市が出資する第三セクターを指定管理者とすることの問題点はないのかを伺います。

4つ目に、私は図書館や教育施設は公益性が高いと考えますが、農産物販売やレストラン経営の施設が公益性があるという論拠と、運営管理費に税金を投入できるという説明を具体的にしていただきたいと思います。

項目の最後の5つ目の質問として、この事業と関連があり、売り上げが落ちていると言われている市内の5つの直売所の現在の経営はどのような状況なのか。経営対策はどのように考えているのか。また、複合型交流拠点施設が建設された後、直売所と共存するための計画施策をどのように考えているのかを伺います。

第2の質問として、常陸太田市西山研修所の運営についてと旧学校施設の利用について質問をいたします。

1点目は、震災前の西山研修所の22年度実績で、県は運営経費に1億2,000万円弱をかけているようでありますが、なぜこのような多くの経費がかかっている施設を財政状況が厳しい本市が引き受けることになったのでしょう。新たな1億円以上の経費がかかる施設だと市民が知ったならば、市民はこの施設の移譲を歓迎するでしょうか。今後の運営計画を市民に理解されるようご説明願います。来年4月からの西山研修所の運営経費の計画はどのようにお考えなのかをお伺いいたします。

2点目として、現在でも本市は行政の遊休施設が多くあり、その管理費に多くの金額をかけています。教育委員会関係でも旧河内、佐都、瑞竜小学校跡地があります。今後計画に上っているだけでもこれから3年ぐらいで賀美小学校、小里小学校、北中学校、郡戸幼稚園などがあり、現在の子どもの数から想定すると、5年以内にまだまだ多くの教育施設が遊休施設となることが予想されています。

現在、市が所有している施設だけでも多くの維持管理費用がかかっている状況であります。西山研修所が歴史的教育施設であったことは理解をいたしますが、現在の社会環境の中では、この施設の役目は十分果たし終えてきたのではないかと考えます。それゆえ県も手放す決断をしたのではないでしょうか。財政規模が大きい県が手放さざるを得ない状況なのに、今後の財政の厳しさが予想される本市がなぜこの施設を引き受けなければならないのかを市民にご説明いただきたいのであります。

3点目として、議員全員協議会でいただいた資料などに示されている今後の利用者及び利用料金の見込みについて伺います。県の震災前の利用者数と同様の利用者を25年度から見込んでいて、27年度には3万3、860人と、県が一生懸命運営していた22年度実績よりも2,000人あまり多くの利用者を計画していますが、県全体でも少子化が進んでいて、また県北や本市は特に少子化が進んでいる状況では、この計画が絵に描いた餅に終わるような危惧を持たざるを得ませんが、誠実に検討した数字なのか。また、利用料金も県の実績の2倍以上の数字を予定しているようでありますが、設管条例にうたわれている料金で予定している利用収入が実現できるのでしょうか。その根拠をお示しいただきたいと思います。

4点目として、本市の資産である旧金砂小学校跡地を利用した内容は、この西山研修所と同様の施設と私は思えるのでありますが、9月に開設した金砂ふるさと体験交流施設の現在までの利用実績はどのようになっているのかを、計画した数字と現実の数字の比較でご説明願いたいのであります。

5点目として、本市財産である旧教育施設の利活用計画はどのようになっているのでしょうか。市が現在所有している遊休資産の活用も市民に示さないで、県が所有していた資産を新たに市が取得する。そして新たに経費が発生する。そのようなことは市民にとって非常に理解しづらいと思います。学校の跡地や今後予定されている本市の遊休資産の市としての利活用構想の状況は、どのように考えているのかをお伺いいたします。

第3の質問として、27年度から20億円の交付税の減額が見込まれ、市民への行政サービスの見直しをしなければいけない状況が想定されているにもかかわらず、交流拠点施設の箱物や西山研修所などの新たな施設を持つことにより、新たな費用負担がかかるわけでありますから、今付けている予算の幾つかを減額して新たな運営管理費用の増加ということに市民は矛盾を感じると思いますが、経費や費用の増加を説明していただきたいのであります。

前段で申し上げましたように、国や県も含めた今後の財政状況を考えたとき、地方交付税や交付金に大きく依存した常陸太田市が、今後も間違いなく市民に変わらない行政サービスを本当に提供できる財政運営を伺いたいのであります。

以上で第1回目の質問といたします。

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。産業部長。

産業部長:複合型交流拠点施設についてのご質問にお答えいたします。

ご案内のとおり、本事業につきましては、地域産業の重点振興施策として継続して取り組むこととしておりますが、震災からの復旧・復興に優先的に取り組むため、平成23年度、24年度と事業の先送りをしてきたところであります。なお、今年度につきましては、震災後の本事業を取り巻く環境等を調査・検証し、より適正な事業内容としていくため、現計画の検証、調査業務を専門業者に委託し、11月末に終了したところであります。

ご質問の事業計画、経営計画の変更と黒字化の見通しについてでありますが、ただいま申し上げましたとおり、現計画の検証報告書は11月末に業者より提出されたばかりであり、その内容につきましては、まだ十分な分析をしていない状況であります。今後は、本事業推進のために設置しております内部委員会や市民、関係機関、専門家などで構成する整備検討委員会等を早期に再開し、この報告書の内容について分析・検証を進めてまいりたいと考えております。

次に、本施設を整備することによる交流人口増や産業振興による地域全体への経済波及効果の計画につきましては、現在計画をしております本施設機能の中で特徴的なものが情報館であり、この機関は特に観光拠点地や体験施設、観光果樹園など、また、市内各地で行われる四季折々のイベント、地域のさまざまな自然・歴史・文化・食などの地域資源等の各種情報を効果的に受発信しようとするものであり、この機能の強化により市域全体への交流人口の拡大を図ろうとするものであります。

経済波及といたしましては、観光地などへの直接的な波及のほか、宿泊業、交通運輸業、飲食業、土産品の製造販売業など、さらには地域の特性を生かした各種体験などのツーリズムを進めることによる地域の方々への経済波及などさまざまな分野にわたることから、これらを高める施策展開を図ってまいります。

また、農産物や加工品等の直売施設や飲食施設等の整備による経済波及といたしましては、施設で販売、あるいは消費される売り上げ等が直接的な効果となり、これを生産する農業者や商業者の方々の所得向上へとつながるものであります。そのためには、いかにして農家の皆様や加工に携わる方々が消費者ニーズに合った、あるいは消費者に喜ばれるものを作っていくか、また、その商品をいかにPRしていくかが必要となってまいります。そういったことから、現在進めている計画生産による生産振興や6次化、あるいは農商工連携による加工品開発等をさらに進め、意欲ある生産者が地域全体へと広がっていくよう施策展開を進め、波及効果を高めてまいります。

なお、これらのことは経済波及効果ばかりではなく、課題となっている担い手の育成・確保、耕作放棄地抑制、農地や風景・環境等の保全等へもつながっていくものと考えております。したがいまして、これらの検証作業における検討結果をもって、適切な時期に議会や市民の皆様方には報告してまいりたいと考えております。

次に、第三セクターの出資者は、市のほかに誰が出資することで調整をしてきたのかという質問でありますが、震災後は現計画の検証や農産物等の生産性の向上等を中心とした施策展開を行ってきたところであります。本施設の経営母体としましては、第三セクターで行う方針としているところでありますが、現計画の検証結果等を踏まえた経営計画の方向性を出す中で、第三セクターの枠組み等についても協議、調整を行ってまいりたいと考えております。

また、市が出資する第三セクターを指定管理する問題性はないのかというご質問でありますが、現在、市が出資している団体等に指定管理制度を活用して管理運営している他の公共施設においても、指定管理にかける施設の歳入・歳出の会計については独立した管理をするよう指導しているところであり、本施設においても同様の対応をしてまいりたいと考えております。

また、平成23年度に総務省より出された第三セクター等の抜本的改革に関する指針におきましても、第三セクターの設立につきましては、外部の専門的意見を聞くことにより客観性や専門性を確保した上で将来需要予測、事業計画等を立てることや、第三セクターの法人類型等についても一般社団法人及び一般財団法人、会社法人等、それぞれ特色を踏まえ、適切に選択を行うべきなど6項目の留意事項について通達が出ておりますので、これらの留意事項等の考え方を十分に踏まえて慎重に判断してまいりたいと考えております。

次に、農産物販売やレストラン施設の公益性についてでありますが、本市の基幹産業である農業が今後とも地域の主産業として持続、発展し、地域の活力として生まれていくためには、生産振興はもちろんのこと、生産されたものが再生産可能な価格で適切に販売され、生産者の所得に反映される必要があり、そのことから生産者の意欲向上にもつながっていくものであると考えております。そのことから、地域で生産される農産物等の販売や利活用を促進するための直売所や飲食施設を整備しようとするものであり、あわせて交流人口を増やしていくことにより、地域産業全体の底上げを促し、地域の活性化、発展に寄与する公益性のある地域振興施設であるものと考えております。

なお、第三セクターの運営管理に税金を投入するのではなく、その公共施設の管理運営に指定管理制度を活用するものであります。また、近隣市町村や近県の道の駅等で農産物直売所やレストラン、農産物加工施設等を備えた同類の施設を調査したところ、21施設中16施設が会社法法人である株式会社、残りの5施設が財団法人であり、全てが第三セクター方式による運営となっております。

次に、市内の5つの直売所の経営状況とJA直売所と共存していくための見通しについてでありますが、JA直売所の経営状況につきましては、震災直前の平成22年度では、5直売所合計で直売部門や飲食部門、加工部門等を合わせ年間約8億円程度、ピーク時には約9億8,000万円程度売り上げがあり、入込客数は5直売所を合わせて約60万人を超える入り込みがありました。震災後の平成23年度には、売上額、入込客数とも震災前の85から90%前後で推移している状況であります。また、直売所の売上額向上策の1つとしましては、地場産率のアップが直売所に求められている機能であり、消費者にとっても魅力ある品ぞろえとなるよう、ポスデータに基づく品種や時期等の計画生産についてもJA・県・改良普及センターと市が連携し、取り組んでいるところであります。

また、JA直売所との共存はということでありますが、昨年3月の定例会でも申し上げ、また先ほど申し上げましたが、本事業は施設の整備やその経営を目的としているわけではなく、この施設を使ってそこで農産物や加工品などを販売する農家などの生産や加工に係る波及効果、あわせて交流人口を増やすことにより、地域全体の経済の波及効果を図ろうとするものであります。なお、既存の直売所におきましては、一時的には若干売り上げ等への影響があると思いますが、他の先進事例等を見ましても、相乗り等の効果が大きいとの報告がありますので、それぞれの施設が生産されるものをより多く販売あるいは活用でき、さらには地域の特色を生かした運営をするなどお互いに連携し、消費者や生産者にとって魅力ある施設となるよう、また、あわせて市内外から多くの方々に来訪いただけるよう相乗り効果を高めていきたいと考えております。

議長:教育長。

教育長:西山研修所の経営計画についてお答えいたします。

平成22年度の指定管理者の決算状況を見てみますと、収入では県からの指定管理委託料収入1億1、200万円、研修所の利用料金や食堂収入、その他の収入が2、070万円の実績がありまして、収入合計1億3、200万円でございます。支出は人件費8、500万円、施設管理費等1、760万円、食堂材料費1、250万円で、その他の支出で1、030万円、支出合計1億2、590万円となっております。

本市が受け入れて運営いたします平成25年度の計画では、利用料金及び食堂収入の見直しにより、研修所の利用料金や食堂収入、その他の収入を2、500万円、市からの指定管理料は約5、800万円程度で、収入合計8、300万円を見込んでおります。なお、利用料金につきましては、県や近隣の同様施設を参考に、児童や市民等の負担の軽減を考慮しながら決めさせていただきました。支出につきましては、人件費4、600万円、施設管理費等1、700万円、食堂材料費1、200万円、その他の支出800万円、合計8、300万円の支出を見込んでおります。支出においては、他の指定管理者制度を導入している類似施設、県南生涯学習センターや県北生涯学習センター等を参考に人件費の見直しを行うことにより大幅に減額しております。したがいまして、平成22年度と比較して、指定管理料は約50%程度の指定管理料で管理運営ができるものと試算しております。

次に、譲渡を受けた理由についてお答えいたします。西山研修所は昭和13年に、梅津福次郎氏から寄附された5万円の基金をもとに、県により義公ゆかりの地に成人及び青少年の教育と精神修養を行うことを目的に、西山修養道場として建設されました。その後、県立西山研修所という名称に改められ、多くの利用者から親しまれている歴史ある青少年教育施設でございます。これまで青少年や成人、教育関係者などが共同生活体験や自然体験活動などの研修を通して人材育成に大きな役割を果たしてきた施設でございます。昨今の児童生徒に求められている生きる力や人を思いやる心の醸成など、学校や家庭ではなかなか経験できない共同生活やいろいろな自然体験によって養われていきます。今後もこのような場は本市の教育を推進するに当たって豊かな人間性や社会性を育む教育に必要であることから、これからも未来を託す人づくりに活用していきたく本市が引き受けた次第でございます。

また、平成22年度実績でも約3万3,000人が利用し、市民の利用者は36%を占めており、約1万人の宿泊者がございます。市の山吹運動公園を初めとするスポーツ施設や文化施設を利用した合宿研修等により、市が推進している交流人口の拡大においても貴重な施設になることが考えられます。県が災害復旧等の工事を施工した上で市が引き受けることといたしました。

次に、利用者、利用料金の見込みの根拠についてお答えいたします。利用者につきましては、平成23、24年度は震災の影響により一部使用が制限されましたが、平成24年度中に震災復旧等の工事が完了することから、平成25年当初からは全館利用できることとなっております。

平成25年度は、平成20年から22年度の年間平均と比較して85%、利用者2万7,000人、うち宿泊者9、800人を見込んでおります。平成26年度には95%、利用者3万500人、うち宿泊者1万1,000人。平成27年度には、震災前と同様の数で利用者3万3,000人、うち宿泊者1万2,000人を見込んでおります。利用料金、収入につきましては、利用者の見込みに合わせまして、平成25年度からの料金体系により試算いたしたところでございます。

今年11月末現在の、平成25年度──来年度からの利用申し込み者のうち宿泊者は約6,000人で、平成22年度同時期と比較いたしましても順調に予約の申し込みをいただいているところです。今後は団体、グループ等の予約が多くなる時期になることから、積極的に広報、PR活動を実施いたしまして利用者の増加を図ってまいります。

次に、旧金砂小学校跡地に9月に開設いたしました金砂ふるさと体験交流施設の現在までの実績でございますが、平成24年度施設利用見込み数は、宿泊者数570名、施設利用者数は230名に対し、9月から11月まで3カ月分の宿泊者数は249名。内訳を見ますと、県外から108名、県内から95名、市内から46名となっております。施設利用者数は396名、見学者数につきましては1、297名で、合計1、942名の利用者数となっております。

宿泊者の主な利用内容でございますが、大学のゼミ、サークル、スポーツ少年団の合宿、農業体験の宿泊等、施設利用者の主な内容につきましては、地域内の団体、スポーツ少年団や老人会、公民館活動、子ども会などでございますが、市内及び水戸地区の子ども会や体験ツアーによる事業の参加者となっております。

議長:政策企画部長。

政策企画部長:今後の旧学校施設の利用計画についてのご質問にお答えをいたします。

旧学校施設の利活用につきましては、これまでも庁内関係部課等の職員により構成される廃校等利活用プロジェクト会議において、地域住民の皆様からいただいたご意見や老朽化の状況などを踏まえて利活用の方向性をまとめてまいりました。平成24年3月末をもって廃校となりました旧佐都小学校、旧河内小学校、旧瑞竜小学校、また、今後廃校となる学校施設につきましても同様の考え方で利活用の検討を進めてまいります。

検討の基本的な考え方としまして、少子化が進行している現状におきましては、さらなる小中学校の統廃合が避けられない状況にあり、また、市を取り巻く行財政環境や地域経済の状況がますます厳しくなることが予想される状況下において、地域での利活用が考えられない場合には、当該旧学校施設を処分することにより財源確保、または維持経費の削減を図ることも推進していく必要があるものと認識しております。もちろん、民間企業や学校法人、社会福祉法人などの利用に供することにより、地域の雇用や経済活動につなげていくという方策もあることから、文部科学省が廃校施設等の情報を集約し、同省のホームページで公表している「みんなの廃校プロジェクト」に施設等を登録し、施設等の利活用希望者に情報提供していく方向で準備作業もあわせて進めているところでございます。

また、県立勝田特別支援学校の児童生徒数が増加傾向にある中で、県北地域に小中学校跡地等を利用した分校を設置する方向での検討が県教育委員会で進められているところでございますが、整備に当たっては本市の廃校施設の利活用により特別支援学校の設置を検討されますよう県知事に対して要望しているところでして、積極的に誘致を図ってまいりたいと考えております。

さらに、市には旧学校施設以外に土地建物等の遊休資産を保有しておりますので、それらについても市土地利用協議会で利活用の検討を行い、主体的な利活用が図れないものについては売却や貸付け等積極的に推進することにより自主財源の確保を図っていく必要があるものと考えております。

議長:総務部長。

総務部長:施設の運営管理費増加と今後の財政状況についてのご質問にお答えをいたします。本年8月末に閣議決定されました中期財政フレームにおきまして、平成25年度から27年度までの地方の一般財源総額は、平成24年度地方財政計画の水準を下回らないよう確保すると決定されたことから、平成26年度までの税収を含めた本市の一般財源はおおむね平成24年度と同額程度で推移していくものと考えております。

しかし、合併算定がえが平成27年度から段階的に減額となります。平成32年度には平成23年度ベースで算定をいたしますと、普通交付税と臨時財政対策債を合わせまして20億8,000万円が減少することとなります。このため一般財源が平成27年度より低減となりますことを念頭におきまして、現在定員適正化計画の実行による人件費の削減や事務事業の見直し、基金の確保、市債の発行抑制などにより、将来においても行政サービスの水準が維持できるよう財政運営を行っているところでございます。

今後におきましても定員適正化計画の着実な実行、指定管理の推進、補助金の整理・合理化、事務事業のさらなる見直しなど行政改革の一層の推進に取り組むとともに、遊休資産の利活用や処分などを行うことにより財源を確保し、地域振興や交流人口の拡大、地産地消の推進、新たな雇用の創出、人材の確保など、本市が進めるべき施策に重点配分を行いながら行政サービスの水準維持に努めてまいる考えでおります。

2回目の質問

議長:平山議員。

平山晶邦:ご答弁をいただき、ありがとうございました。

まず、複合型交流拠点施設の件ですけれども、11月に調査報告が出るので今はわからないという回答、昨日もそのような回答だったんですが、この事業は議会で議決されている事業で予算も議決されたということがあるわけです。そうしますと、やはり何にも増してこの事業のあるべき姿というものを議会なり市民に示すというのは、担当部としては第一義の仕事だと私は思うんですよ。今、ここにおられる議員一人ひとりも市民の負託を得て議決した事業ですから、昨日も同僚議員からどのようになっているんだろうと心配して質問があったと思うんです。

そしてまた、9月の議会では6月から10月末までに調査は終了するというご答弁をしておりますよね。これはなぜ11月になったんでしょうか。コンサルとの契約が10月末といったら、普通は10月末にはその調査資料を出させて、そして11月1カ月かけてきっちり内部で検討してという作業が必要だと思います。ましてやこの12月議会は、来年度予算に向かって検討する大きな時期だと私は考えています。それがいまだ調査が出ていないということはどのようなわけでしょうか。改めてその点に関してお聞きします。

〔傍聴席にて発言する者あり〕

執行部からの答弁

議長:傍聴人に申し上げます。静粛に願います。

答弁を求めます。産業部長。

産業部長:先ほども答弁申し上げましたが、現計画の検証報告書は11月末に業者より提出されたばかりでありますので、その内容につきましてはまだ十分な分析等をしていない状況であります。その分析を行いながら、また、内部委員会や先ほど申し上げました整備検討委員会等を早期に開催し、この報告書の内容について分析・検証を進めてまいりたいと考えております。

したがいまして、これらの検証作業における検証結果をもって、適切な時期に議会や市民の皆様には報告してまいりたいと考えております。

議長:平山議員。

平山晶邦:これはもう水かけ論になりますからここで終わりにしておきます。

それでは、震災が起こる前にどのような経済波及効果があったのか数字でお示しください。そうしませんと幾ら波及があると言っても言葉の遊びになってしまいます。今は新たな検討をしているんでしょう。では、4億円近い予算を議決した前の段階の波及効果というものを数字でお示しください。交流人口がどのくらいだとか、経済的な波及効果をどのくらい想定していたのかとか。現在は結構ですから、13億円と4億2,000万円という数字を言ったときの波及効果をお示しください。そうしませんと、市長が波及効果があるという前提がなくなってしまうんです。23年度の3月にも、市長はこの施設は赤字でもいいんだと、だけれども全体的に波及効果があるんだということでありますから、前の段階の波及効果を数字でお示しください。

議長:答弁を求めます。産業部長。

産業部長:みなす前の地域全体への経済効果とのことでありますが、あくまでも震災前の試算でありますが、茨城県産業連関表37部門による試算といたしましては、年間約4億5,000万円から4億8,000万円程度を見込んでおりました。

議長:平山議員。

平山晶邦:それでは震災前に、現在これくらいだけれども、この施設をつくることによってどのくらいの交流人口の増加が見込まれるのか、「交流人口」という言葉を使いますから、その交流人口の拡大はどのくらいを想定しておったんですか、教えてください。

議長:答弁を求めます。産業部長。

平山晶邦:議長、時間がないものですから、もしそれが出てこないということであれば、後にしてもらっても結構です。時間がないですから。

議長:それでは先に進めてください。

平山晶邦:あるのであれば示してください。

それでは、経済的波及効果としては4億2,000万円くらいあったということで。

先ほど私は第三セクターの問題点、そして指定管理者をどのように考えるかということを申し上げました。よく指定管理者制度を取り入れるんですけれども、指定管理者制度にも問題点がございまして、特に地方公共団体が出資者となる第三セクターなどが指定管理を受ける場合は、指定管理料以外の費用を地方公共団体側が負担していることがあると。財政支出の項目が二種以上にわたる場合などには、当該施設の運営に対して地方公共団体がどれくらいの経費を負担しているかが極めてわかりにくいという問題点が指定管理者制度で指摘されております。

あと一つ、平成22年12月の総務省の自治行政局長からの通達で、指定管理者の指定申請に当たっては、住民サービスを効果的・効率的に提供するため、サービスの提供者を民間事業者等から幅広く求めると。これが意義があるんだと言っています。その複数の申請者に事業計画を提出させてそこから選ぶ、だから議会の議決が必要ですよと言っています。

私は、この2点があるからあえて今、指定管理者はどうなんですかという質問をしております。

あと一つ、前に副市長が私に公的な施設だと。議会で議決されたから公的な施設なんだというご答弁をされておりますが、公的な施設というものは、地方自治法の第244条、普通地方公共団体は住民の福祉を増進する目的をもってその利用に供するための施設、これが公的な施設なんだということを言っております。例えば体育館だとかプールだとか、教育・文化施設だとか、社会福祉法人のものだとか、公益企業の公立病院や公園や公営住宅などがこれに当たると言われているんですよ。市庁舎は公の施設とは言わないんです。私もこれは初めてわかりました。ですから私は、公的な施設とはどういうふうなものなのかと。そこから行きますと、都市計画法の開発行為に当たる今回のこのような施設というのは、公的な施設に当たらないということです。そこを十分ご認識いただきたいと思います。

これは数字が出てこないということですから議論になりませんので、交流拠点施設はそういうことでわかりました。後で数字をお示しください。そしてまた、早急に検討結果を市民の皆さんに報告してください。よろしくお願いします。

それと西山研修所の委託でありますが、これは教育・文化施設に位置づけられます。この経費も圧縮するということでございますから、今後の推移を見守る以外にない。この数字の3万3,000人が正しいのか正しくないのか、これもまた水かけ論になります。しかし、市民の皆さんには、来年4月からの実績を見れば1年間で結果が出るわけです。2年後の27年度には結果が出る。このような施設であるということを十分教育委員会でもご認識いただいて、そして利用者の拡大に努めていただきたいと思います。やはり経費をかけるわけですから「費用対効果」と、よく市長が前に使っていた言葉でございますが、費用対効果に十分留意をされまして、この運営管理に当たられるよう希望いたします。

それと遊休施設のことでございますが、今から3年前も検討するということでありました。私ばかりではありません。ここに出席されている議員の質問もございました。「検討する」という、いつも検討なんですよ。ですから、やはり早い機会に遊休施設はどうするんだということを市民にお示しいただいて、そしてここから学校がなくなっても、この学校は次にこういうステージを踏みますということをぜひ地域の皆さん、市民の皆さんにご提案しませんと、やはり私はいけないと思います。ですから、プロジェクト会議でも何でも結構でございますが幅広い議論をして、教育委員会の施設だから教育委員会がとか、市長部局だとか、そういうふうなお話ではなくて、きっちりした構想を出すべきだと思います。もう教育委員会の学校の統廃合はスケジュールに上がっているんですから、それを出さないということは私は怠慢ではないかなと認識をしておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

そして1点、総務部長にお聞きしたいんですが、地方財政基本計画を下回らないというお話がございますけれども、1点だけ確認しますが、今回財務省が言いました地方公務員の給料削減ということは、これは間違いなく下回らないのかどうか、それをお聞きしたいと思います。

議長:答弁を求めます。総務部長。

総務部長:財務省で地方公務員の地方財政計画の中の給与について下げるということは申していますが、あくまでもこの中期財政フレームにつきましては閣議で決定されたものでございますので、総務省の見解とはまた違うと思います。閣議のほうが上だと考えております。

議長:平山議員。

平山晶邦:はい、わかりました。最後になりますが、私がこのような質問をいたしましたのは、やはり行政に携わる私たちは常陸太田の未来に責任を持たなければいけないと思うんです。私は不安を残す事業を心配したのでありまして、ぜひともこれからの事業の完遂をよろしくお願い申し上げまして私の質問を終わります。

議長:平山議員の時間は終了いたしました。

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