輝きつづける明日へ 常陸太田市議会議員 平山晶邦(ひらやま まさくに)

平成21年6月定例議会 一般質問

  1. ひとり暮らしの方や老夫婦の方の安全をどのように守っていくのか
  2. 国道349号バイパス沿道地区の現在までの経過と今後の整備について
  3. 市有財産のマネジメント体制について

一般質問内容

平山晶邦:平山晶邦であります。ただいま議長のお許しをいただきましたので、平成21年第4回市議会での一般質問をさせていただきます。

100年に1度、そして、戦後最大の経済危機のかけ声の中、政府は2011年までのプライマリーバランス(基礎的財政収支)の均衡化を放棄し、赤字国債発行枠30兆円を撤廃し、先ごろ14兆円の補正予算を組みました。地方公共団体への配慮として約2兆 4,000億円弱の予算も決定し、常陸太田市においても地域活性化・経済危機対策として6億 3,000万円があり、この6月議会に本市の補正予算として一部提案されております。しかし、14兆円のうち11兆円を国債で賄うという今回の予算は、一国民として危うさを感じるのも事実であります。長期国債だけでも今までに800兆円、短期国債やさまざまな国の債権を含めると 1,000兆円を有に超えると言われる国の借金残高、国の21年度一般会計の中での33兆 3,000億円の公債を発行して、88兆 5,000億円の一般会計を作りました。しかし、実に歳出の20兆 2,000億円は、国債の元利金に回ってしまう。実質的には68兆円の予算規模であります。このたびの国の借金を増やしながらの補正予算というものはいかがなものかという気がしないでもありません。

あと1つ心配するのは、人口減少に伴って国の借金がどのようになっていくのかという問題であります。人口減少の中で、果たして国債発行の借金を今後どのようにしていくのかが見えないのであります。2007年をピークとして日本の人口は減少時代に入りました。私は本市の予算審議の中でも申し上げてまいりましたが、1人当たりに係る借金の単位が大切ではないかという考えを持っています。現在の出生率でいくならば、2007年に1億 2,600万人が2050年には 9,000万人に急減するそうであります。

例えば、国の借金残高 1,000兆円を1億 2,600万人で割れば、国民1人当たり800万円の借金ですが、9,000万人で割れば 1,100万円の借金になってしまします。また、人口が減れば消費が減少し、国民総生産であるGDPも下がると言われるのは当然であります。そして、国債の発行が増えることによって金利が上昇し、今回も補正予算成立後、金利が上昇しています。金利が上昇すれば国債の利回りで返す金額が増え、また財政を圧迫します。国債の発行が続けば国債の入札が不調になっていく状況があります。現在の日本の国債の格付は、先進国の中では最低のランクに位置づけられております。

このような状況の中、クラウディングアウト論ということも言われております。公共投資のために国債を大量に発行した場合、国債の金利が高くなります。そのことは全体の金利の水準を全般的に高くして、市中金融、例えば銀行なんかが一般の人たちに貸し出すということから、その資産運用を国債へ切りかえる。そうすることによって資金が、一般企業への資金供給が押しのけられてしまうと。そしてそれが景気回復を遅らせるということもあるそうであります。

このような状況の中で、今回の補正予算の財源のあり方を心配せざるを得ないことは事実であります。常陸太田市の予算審議、例えば3月議会などで、私たちは市民から、常陸太田市の借金は幾らあるんだと、どうするんだということを言われます。私たちは地方議会において、いかに常陸太田市の市債借金を減らすかという議論や予算の進行管理について厳しい視線が必要だと論じていることがむなしくなるような気がいたします。国の補正予算の財源に対する考えを申し上げ、一般質問に入ります。

1. ひとり暮らしの方や老夫婦の方の安全をどのように守っていくのか

1点目の質問は、本市に住むひとり暮らしの方や老夫婦の方の安全をどのように守っていくのかについてお伺いをいたします。

ご存じのように、常陸太田市は高齢化が県内においても急速に進んでいる地域であります。高齢化が進むことによって、ひとり暮らしの方や老人世帯の方が増えております。本市も緊急通報システム等の配置や民生委員の方々による見守り事業等を行っていることは理解をいたしております。私が今回お伺いしたいのは、システムやハード面は整備したけれど、果たしてそれがうまく連動して実際にどうなのかを伺いたいわけであります。

例えば、ひとり暮らしの方が緊急通報システムを使いました。それは即座に消防署に連絡があり、救急救命士を含む消防士がかけつけました。意識レベルが低い状態でありました。そのときに、かけつけた消防隊の方々は、情報をだれから得ることができるのかという具体的な事例の中で、果たして本市はひとり暮らしの方や老人世帯の方々の安心、安全を守る対応ができているのかをお伺いいたしたいわけであります。

2. 国道349号バイパス沿道地区の現在までの経過と今後の整備について

第2点目として、国道349号バイパス沿道地区の現在までの経過と今後の整備についてお伺いをいたします。国道349号は、バイパスも含めての話になりますが、常陸太田市の骨格を形成する主要幹線道路です。

また、349号バイパスは、常陸太田市を南北に貫く道路であるとともに、主に水戸方面からの入り口であり、現在の常陸太田市にとって生命線とも言われるものでありましょう。そして、沿道の一部の区間には、本市の広域的商業業務拠点として既存の商業施設もあり、常陸太田市計画マスタープランにおいても、広域商業、業務地に隣接して、地区計画等の制度活用を想定する区域として位置づけられています。

市民から常陸大宮市や那珂市は商業施設が発展しているのに、なぜ常陸太田市は商業施設が充実していないのですかという話をよく聞きます。金砂郷地区の、オーバーに言えば90%近い人が買い物をするなら常陸大宮市、那珂市へ行ってしまっているのではないでしょうか。常陸太田市全体でも常陸太田市街で買い物をするという方は少ないのではないかと思います。

私は以前の議会の一般質問で、住みよさランキングに対する質問をいたしました。そのとき市長は商業施設の面積の少なさについて答弁をなさいました。私も商業施設を常陸大宮市や那珂市と比較いたしますと、本市は極端に見劣りをいたします。過去の歴史の中で、県北地区の商都と言われた常陸太田市がなぜこれまでに地盤沈下してしまったのかを考えなければなりません。その大きな理由が349号線沿道の開発の遅れだったのではないかと考えています。

常陸太田市は、これだけ利便性が高い349号線沿いがなぜ整備促進が遅れたのかについても市民からよく質問を受けます。那珂市も常陸大宮市もバイパス沿いにはロードサイド店や量販店で埋まっています。常陸太田市は田園です。これだけの違いがなぜ出たのか、市民は疑問に思っているのです。今までに349号線沿道の土地利活用がなぜできなかったのか、その経過についてお伺いをいたします。そして、市計画マスタープランにおいて、地区計画等の制度活用を想定する区域として位置づけられております349号バイパス沿道の今後の方策については、午前中の同僚議員の答弁で私も理解をいたしました。それゆえ私からは、349号バイパスの西側については、今後どのような考えを持っているのかについてお伺いをいたします。

3. 市有財産のマネジメント体制について

3点目の、市有財産のマネジメント体制についてお伺いをいたします。

市の財産は、お金もありますし、建物もありますし、山林などの土地もあります。私がお伺いしたいマネジメントに対する対象は、市が所有する土地や建物です。特に遊休地の活用などについて、市役所の中でどの部署が担当しているのか。どこの部署が活用について検討しているのかがわからないのです。教育施設は教育委員会、保育園の施設は保健福祉部、消防施設等については消防に分かれています。市長も民間会社の経験がありますからご存じかと思うんですが、民間会社であれば、一括して土地、建物については総務部とか法務対策室とか、コンプライアンス対策室などが契約書に絡む管理をしていますし、その活用についてはいかに遊休施設を活用するかを考えています。そうしませんと決算の中で遊休資産見合いの引当金を充当するようになるからです。それゆえ遊休資産の管理や財産管理については、大変厳しくしているのが民間会社の現状ではないでしょうか。

それから比較すると、本市の市有財産に対する取り組みはどうでしょうか。縦割り行政の弊害は出ていないでしょうか。セクト主義の中での議論になっていないでしょうか。例えば、教育施設の統廃合によった遊休施設は、教育委員会がその後の対応を考えればいいなどという考えにはなっていないのでしょうか。私はそのような資産管理や活用方法ではいけないと考えています。やはり資産を総合的に一括管理し、また、その資産の有効利用を総合的に考えるマネジメントを行う体制が必要だと考えますが、市の体制についてお伺いをいたします。

以上、3点の質問を行いまして、1回目の質問といたします。

資料写真:常陸太田市役所
資料写真:常陸太田市役所

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。消防長。

消防長:本市にお住まいのひとり暮らしの方、また、老夫婦の方の安全対策についてのご質問にお答えをいたします。

現在、常陸太田市には、ひとり暮らしの方等を対象にいたしまして、699世帯に緊急通報システムの電話機が設置されております。この方々が緊急通報システムを利用しまして救急車を要請いたしますと、瞬時に消防本部通信指令室のパソコンに通報者の個人情報が表示されます。要請があった場合に、会話ができるときは状況を聞き取り、救急車を出動させます。また、耳が遠い方、あるいは話ができない方の場合、応答がないわけですので、当然、即座に救急車を出動いたします。

なお、通報者の個人情報には、住所、氏名、年齢、性別、血液型、さらに協力者としまして近所の方、民生委員の方、身内の方々、これらの方を協力者と申しますが、さらに高血圧等の既往歴、かかりつけの病院や身体的障害情報、これらが入力をされてあります。

また、出動と同時に協力者に連絡をしまして、通報者の自宅に行っていただくようになっております。さらに、出動しました救急隊には、無線を使用しまして通報者の個人情報を送信いたしております。協力者に自宅に行っていただいているわけは、緊急通報システム運用要項の定めによりまして、救急車が出動した場合に、入り口が施錠されており、呼びかけにも応答がないという場合がございます。そのときに通報者宅に立ち合いの方に行っていただく必要があるということでございます。

なお、現在消防本部としましては、緊急通報システムはひとり暮らしの方々が安心して生活する上で大変有効な手段であり、利便性が図られているものと認識をしております。

以上でございます。

議長:産業部長。

産業部長:第2点目の国道349号沿道地区の現在までの経過と今後の整備についてのご質問の中の、現在までの経過についてお答えいたします。

国道349号用地及びその両側の水田につきましては、茨城県が事業主体である県営圃場整備里川西部地区として整備がなされたものであり、里野宮町から三才町を受益地とする248ヘクタール、受益者743名で、昭和56年度に事業に着手し、平成元年に工事が完了したものであり、その後、土地改良法の規定により、一時利用地指定による耕作と並行して換地手続を進めていたものであります。しかしながら平成2年において、一部地権者から異議申し立てが出され換地確定がなされず、12年を経過した平成14年に開催された権利者会議において換地確定となったため、平成14年3月27日付をもってすべての工事が完了したものであります。

これらの経過により、当地区の農業振興地域整備計画の変更につきましては、農業振興地域の整備に関する法律の基準により、平成21年度をもって8年が経過となるため、平成22年4月からの変更申請が可能となるものであります。

以上でございます。

議長:建設部長。

建設部長:国道349号沿道地区の現在までの経過と今後の整備についての中で、建設部関係の今後の整備についてお答えいたします。

今年3月、見直し策定をいたしました都市計画マスタープランにおきまして、国道349号バイパス沿道西側地区につきましては、商業、業務、工業、研究開発施設、住宅などの必要な地区計画等の制度を活用して市街化を図る区域としております。

現在、当地区の整備計画はございませんが、今後開発計画が具体化し、この地区を整備していくためには地区計画を策定することになります。この計画策定に当たりましては、立原議員のご質問にお答えしたとおりでございまして、地権者の方々、事業予定者、関係機関との十分な協議、調整が必要であると考えております。

議長:政策企画部長。

政策企画部長:市有財産のマネジメント体制についてのご質問にお答えをいたします。

現在、本市におきましては、財産の所管担当課より提出があったものにつきまして、土地利用協議会、あるいは廃校等利活用検討庁内プロジェクト等におきまして、土地や建物の利活用の検討協議を行っております。今後にありましては所管担当課から提出がないものでありましても、将来的に利活用等の検討が必要と考えられる市有財産につきましては協議会・プロジェクト等を所管をいたします。企画課においてその把握に努め、それらの管理体制について検討を進めてまいる考えでおります。

2回目の質問

議長:平山晶邦君。

平山晶邦:2回目の質問を行います。

1. ひとり暮らしの方や老夫婦の方の安全をどのように守っていくのか

1点目の安全対策については理解をいたしました。先ほど市長と副市長にだけちょっとお渡ししたんですが、小樽市で行っている安心カードというのを持ってまいりました。このカードはひとり暮らしの方が自宅でぐあいが悪くなったときに、救急車を呼ぶときに活用しているそうであります。消防長がおっしゃられたように、この中には血液型やかかりつけの病院、今かかっている病気、常用している薬、アレルギー、健康保険証番号や緊急連絡先等を書き、家庭の冷蔵庫にしまっておくんだそうです。それで、やはり小樽市も同じように緊急通報システムはあるんです。そして、常陸太田市も緊急通報システムはあるけれども、現実にひとり暮らしの半分ぐらいまでしか普及が進んでいない。同じように小樽市もその普及が進んでないそうであります。

そういう中で、民生委員の方がいろいろありまして、こういうふうなものを冷蔵庫にしまっている。例えば、こういう筒があってそこにこれをやって冷蔵庫に。ですから、小樽市では、救急隊が行って意識がなくても冷蔵庫を開ければその患者の個人情報がすべてわかるということで、本当にベーシックな、コンピューターとかそういうのは使っていませんけれども、非常に役に立っているそうであります。どうしてもパソコンとかコンピューターとかという時代になりますが、このような、民生委員の方が最初始めたときには、100円ショップの片栗粉の容器に入れて、それでこれをしまっておくということで、それが今、小樽市に徐々に徐々に普及している。なおかつこれは、行政が主導ではなくて、あくまでも町内会主導で始まった。そして民生委員主導、町内会主導で始まったという事業で進んでいるそうであります。

私は、具体的に意識レベルが低いときにどうするかということをきちんとやらなければならないというふうに思います。本市においてもぜひこのような取り組みを民生委員さんの方々に投げかけたり、町内会の皆さんに投げかけてみてはどうかというふうに考えております。

2. 国道349号バイパス沿道地区の現在までの経過と今後の整備について

2点目の、349号線についての圃場整備。12年間換地ができなかったことが開発ができなかった最大の理由であるということは理解をいたしました。十二、三年前でありましたでしょうか、梶山静六先生が大臣のころ、ぱせお構想というふうなものが常陸太田市にあったように聞いております。しかしこれも換地ができなかったためになかなか実現しなかったというような話もお伺いをしておりますが、やはり一部の方が異議を申し立てたことは、今、常陸太田市に大きな犠牲を払い、近隣の常陸大宮市や那珂市などに大きく後れをとってしまったわけであります。どうかこの349号沿いの今後の開発におかれましては、常陸太田市の未来がかかる今後の活用であるわけでありますから、スピード感ある対応をお願いをいたしたいと思います。

3. 市有財産のマネジメント体制について

3点目として、市有財産の一括管理。今後は企画がそのような形の体制をとるということでございますので安心をいたしました。そして市民に利益になるような市有財産の活用、遊休地の活用をお願いをいたしたいと考えております。

先日、北海道のある町が、小学校をヤフーオークションに出して 3,000万円ぐらいで落札したという話が新聞に載っておりました。やはり、このような遊休資産の売却等も含めて、私は大胆なさまざまな対策が必要なのではないかと思っております。今後、企画に集中して執行部の皆さんからも大胆な発想の市有地の利活用が出てくるものと期待をいたしております。

以上、これは要望でございますので答弁は結構でございます。これで私の一般質問を終わります。ありがとうございました。

<< 平成21年6月定例議会 一般質問 >>