輝きつづける明日へ 常陸太田市議会議員 平山晶邦(ひらやま まさくに)

平成23年9月定例議会 一般質問

  1. 小学校、中学校規模適正化の進捗状況について
  2. 公民館施設の環境整備について
  3. 商業振興政策について

一般質問内容

平山晶邦:平山晶邦であります。議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。

私たちの住んでいる日本列島は、今まさに災害列島と化し、自然の猛威の前には人間はなすすべもなく立ちすくんでいる状況です。東日本大震災、福島原発事故、台風12号、立て続けに日本を襲っています。テレビで、被災された方は異口同音に、今まで経験したことのない状況だと言っています。行政に携わる私たちの周りで起こる災害は、「想定外」という言葉はもはや通じず、さまざまな観点からの災害を想定し、防災や減災に努めていかなければならない状況が生まれています。一体日本は、これから現在の日本を取り巻く情勢にどのように立ち向かっていくのでしょうか。

1つ言えることは、今までの延長線上で物事を考えてはいけなくなっていることだと考えます。日本の財政を考えてみても、世界の中でGDP ── 国民総生産額の2倍の借金を背負っている国は日本以外にありません。財政が破綻したと言われているギリシャでさえGDPの130%以下です。災害復旧対策に対しても、もう借金をしながら復旧資金を捻出することは許されなくなっています。そのようなことをしたら、日本国債は数年後に債務不履行、デフォルトを起こしてしまう可能性さえも言われています。いまや米国政府の債務危機増大を懸念して、アメリカの国債の取引も控え始めている世界状況の中で、アメリカ国際よりも3段階も低い日本国債の現状は目を覆うばかりなのです。

私はこのような社会情勢の中にあっては、地方行政も例外ではなく、今までの延長線上で物事を考えていたのではいけないと思います。国が助けてくれる、県が補助金を出してくれるなどという状況にはないのです。常陸太田市も今回の震災によって大きな被災を受けました。現在その復旧に当たっています。激甚災害地域だから国が面倒を見てくれるなどということは、私はないと思っています。災害復旧の補助金や起債は認めてくれても、小泉内閣の三位一体改革時代のように、相対的な交付税や特別交付金などの総額を減額していくことは想定していかなければならないと思っています。

今回の野田政権は、自民党時代の小泉政権のように、財政再建を第一義に上げています。そのように考えると、交付税や特別交付金や補助金の総額の減額に踏みこんでくると考えるのが当然です。国や県の財政に大きく依存している常陸太田市の財政を考えると、これから本当の意味で財政再建を考えていかなければならない時代が訪れます。今回の復旧対応で財政調整基金を取り崩す常陸太田市にとっては、大変厳しい時代が訪れようとしている覚悟が必要だと思っています。

小泉政権時代の常陸太田市は、財政調整基金を取り崩しながら予算を組んでいた時代があったわけであります。今後水道事業や災害復旧や施設の耐震化に多額の資金が必要となる常陸太田市にとって、市政経営に当たっては、世界情勢から国の動きを敏感にとらえた市政の執行に当たっていただくことを希望し、質問に入ります。

私は、今までにも常陸太田市の10年後は60歳以上の人口が53%になり、常陸太田市が抱えている最大の問題は人口減少であり、少子化であり、定住促進であると申し上げてまいりました。そして、「近きもの喜び、遠きもの来る」の故事を引用し、市民が常陸太田市に住んでよかったと満足できることが一番大事であると申し上げてまいりました。私はこの課題を進める上で大切な要因が教育問題であり、文化コミュニティの問題であり、商業の活性化の問題であると考えています。その思いから、第1の質問は、小学校、中学校規模適正化の進捗状況についてお伺いをいたします。

平成18年に、常陸太田市学校施設検討委員会から小中学校規模の適正化の答申を受け、水府地区における水府小学校、金砂郷地区における金砂郷小学校の設立統合を行ってまいりました。私自身、運動会などに出席させていただいて、適正な児童数がいることは子どもたちにとっても必要であると強く感じております。

私は、常陸太田市が持っている大きな財産は、教育、歴史、自然ではないかと思っています。常陸太田市が持っている教育という財産は、歴史の上に築かれ、旧制中学校があったという事実は大変重要な要因であると考えます。それゆえに、常陸太田市のまちづくりには、教育の充実は欠かすことができません。

しかし残念なことに、今回の東日本大震災で実証されたように、常陸太田市の教育現場は子どもの安全を確保した施設ではありませんでした。この事実を私たち行政に携わる者は決して忘れてはなりません。改めて本市の教育行政は最大の課題であり、人口減少対策や少子化対策、そして常陸太田市のまちづくりにとって重要な施策であるという認識が必要なのではないかと思います。

常陸太田地区においては、初めて平成24年度から河内、佐都、瑞竜小学校が機初、誉田小学校と統合を予定しているわけであります。私は適正な児童数を確保して、子どもたちがよりよい教育環境の中で充実した小学校生活を送っていただきたいと心から願っています。そのためには生徒数の規模の適正化を図り、児童はもちろんのこと、保護者の方からも評価される教育現場を作り上げていく必要があります。

また、そのとき大切なことは、保護者の皆さんの安全、安心を担保することはもちろんのことでありますが、教育環境の整備を図っていくことが大切なことではないでしょうか。そこで、平成18年に小中学校規模の適正化の答申を受けて進めている進捗状況をお伺いしたいわけであります。

第2の質問は、公民館施設の環境整備についてお伺いをいたします。常陸太田市内の公民館が活動に熱心に取り組んでいることはすばらしいことであります。私は、公民館と各町内の連携は公民館活動ばかりでなく、常陸太田市がさまざまな分野で活躍できる可能性を秘めた組織であると考えます。しかし、公民館活動の拠点となっている公民館の情報機器などは、ピンク電話などしかない公民館もあり、公民館ごとの環境は格差が生じている現状です。そこで、公民館活動のより一層の充実のためにも、公民館ごとの格差がない公民館と市が共有できる情報機器の整備や環境の整備を図っていく必要があると考えます。公民館施設の環境整備についてお伺いをいたします。

第3の質問は、商業振興政策についてお伺いをいたします。私は昨年12月の定例議会においても商業振興策の質問をいたしました。その後、商業者の方と話をいたしますと、スピード感ある対応を行わないと商業者の状況は深刻さを増していることがわかりました。3月11日の東日本大震災を境として、より一層商業者の深刻さが増している状況にありますので、あえて今回も質問をさせていただくわけであります。

本市で営業している商業者は、現在のような人口減少や過疎化や社会情勢のデフレ化の中で、大変な苦労をしながら経営を行っている現状にあります。私の周りでも商売をやめたいという話も多く聞きます。特に小売業の方々は、今まで蓄えてきたお金を持ち出しながら商売を続けておられる方も多くいる状況です。

また、常陸太田市の中心市街地は、那珂市や常陸大宮市と比較しますと物すごく出遅れていて魅力がないという話も多くの市民から聞きます。このように考えると、私はスピード感ある商業政策実行を行っていかないと、常陸太田市の商業者や市民の願いを守ることができないと考えます。商店がなくなってしまったら困るのは市民です。また、にぎわいのない商業施設だけでは、市民は那珂市や常陸大宮市や水戸市など近隣の市に流失し、寂れた商業地域になってしまって魅力がない、買う楽しさがない町に人は住んではくれません。このようなことが起きない常陸太田市の商業振興政策を望み、お伺いをいたします。

以上、3点の質問で第1回目の質問といたします。

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。教育長。

教育長:小中学校規模適正化の進捗状況についてのご質問にお答えいたします。

市におきましては、議員ご発言のとおり、平成18年11月に常陸太田市学校施設検討協議会からいただきました答申に基づき、学校規模の適正化を図り、学校施設等の教育環境を整備するため、小中学校の統廃合を進めているところでございます。

初めに、瑞竜小学校、佐都小学校、河内小学校の3校でございますが、昨年6月に各学校のPTAに統合案をお示し、その後地域の皆様への説明、協議を続けてきたところでございます。この結果、河内小学校につきましては本年1月29日に、佐都小学校につきましては5月24日にそれぞれの地区において開催いたしました地域住民に対する説明会において、来年4月の機初小学校への統合についてご了解をいただいたところでございます。

また、瑞竜小学校につきましては8月27日に開催いたしました地域住民に対する説明会におきまして、来年4月の誉田小学校への統合についてご了解をいただいたところでございます。

統合先となります機初小学校及び誉田小学校のPTAの皆様には説明を行い、ご了解をいただいているところでございますので、今後は早急に両地区の町会長の皆様へのご説明を行い、12月議会に議案を提出してまいりたいと考えております。

なお、来年4月の統合に向けまして、スクールバスの運行や子どもたちが新しい学校へスムーズに入っていけるよう学校間交流の実施、PTAの統合調整などを行ってまいりますが、特に通学路の設定、スクールバスの運行につきましては、保護者の皆様とご協議しながら、市建設課ほか関係課とも調整し、通学路の安全の確保に努めてまいります。

次に、小里小学校、賀美小学校につきましては、昨年6月と8月に両校のPTA役員の皆様へ、里美中学校との小中一貫校とする統合案をお示しし、ご検討をお願いしたところでございます。現在、教育委員会におきまして、里美地区における統合校のあり方について、より具体的なコンセプト及び施設設備の検討を行っており、今後近いうちに中学校を含めたPTAの皆様、地域の皆様に説明してまいりたいと考えております。

次に、南中学校、北中学校につきましては、北中学校の生徒数が本年度83名となっており、今後急激に減少することが見込まれるとともに、南中学校校舎が建築後46年、北中学校校舎が41年を経過し、両校とも耐震化が必要となっているところでございます。文部科学省の公立の義務教育諸学校等施設の整備に関する施設整備基本方針におきましても、平成27年度までのできるだけ早い時期に耐震化を完了させるとの目標が示されておりますことから、両校の統合と新校舎の建築につきまして、本年度から調整に入ってまいりたいと考えております。

次に、公民館活動の充実のための情報機器等の整備についてのご質問にお答えいたします。本市には19の公民館が設置され、地域の生涯学習の拠点、地域コミュニティの中核として、さまざまな活動を行っております。また、ほとんどの公民館は市の避難所にも指定されており、防災上も重要な役割を担っております。公民館が期待された役割を果たすためには、公民館活動の充実を図るとともに、施設や設備を計画的に整備していく必要があると考えております。

公民館の情報機器等の整備状況につきましては、パソコンについては全館に配備されておりますが、事務用電話やファクス等を備えているのは、公共施設内に設置されている金郷、郡戸、染和田、小里、賀美の5つの公民館だけで、残りの14公民館は公衆電話のみの設置となっております。議員ご発言のように、今後公民館活動の一層の充実を図るためには、時代に即した情報機器、情報インフラの整備は必要不可欠なものと考えておりますので、今後計画的な整備に努めてまいります。

議長:産業部長。

産業部長:商業振興政策についての本市商業者の現状と、市内消費者拡大に向けた行政の取り組みについてお答えいたします。

本市商業者の現状につきましては、合併時の平成16年度の統計調査によりますと、店舗数は676店舗でありましたが、平成21年度の調査では596店舗と減少するなど、年々減少傾向にありますことから、これまで中小企業への事業資金、融資保証の支援、商工業者への相談、指導等を行うため、商工会へ補助等を行ってまいりました。また、本年3月に発生しました東日本大震災により被災を受けました商工業者が融資を受けた際に、1.5%までの利率について利子補給する新たな制度を創設したところであります。これまでに148事業者から利子補給対象額8億 3,115万円の申請が提出されているような状況にあります。

さらに、市内における消費拡大、地域経済の活性化につながる事業について商工会と協議を重ねてきた結果、本年度にプレミアム商品券事業を実施することで合意に至ったことから、今定例会に商工会への補助金 1,000万円を補正予算として計上させていただいております。

また、本市の中心市街地におきましては歴史的建造物が多数あることから、他市にはない商工会、商店街が進めております「スロータウン鯨ケ丘〜和暦の時間が流れる街」を後援し、新たな誘客に向けて取り組んでおります。

今後は、先ほど藤田議員さんの質問の答弁で申し上げましたとおり、国道349号沿道地区は大型商店施設の計画的立地誘導、鯨ケ丘については歴史的建造物、景観を生かし、地元の人たちや観光客が気軽に立ち寄れる憩いの場としての地区形成を図り、消費拡大に向けた取り組みと関係機関等と連携を図りながら実施してまいりたいと考えております。

以上です。

2回目の質問

議長:平山晶邦君。

平山晶邦:ご答弁をいただきありがとうございました。第1と第2の公民館には理解をいたしました。

第3の質問の商業振興に関してでありますが、やはり市民が楽しんで買い物をしたいという商店といいますか、そういうふうなものを市民が望んでいると思います。先ほど349号の沿線の話がございました。そしてまた、それに対しては商業者に対しての説明を聞いて、そしてそれに対して対応していくんだというご答弁が同僚議員からの質問でもございました。しかし私は、一歩進んでやはり誘致をするんだという、そのぐらいの気構えが必要なのではないかと思います。それは、大規模店舗では多くの問題があることも承知しておりますが、しかし市民は常陸太田市で買い物をしたいという要求が非常に強いのが事実であります。そういう意味では開発業者の皆さんとの相談を向こうから聞くばかりではなく、積極的に市もかかわっていくんだという姿勢がこのような開発には必要なのではないかと考えます。産業部としてこの1点、ご回答をお願いをしたいと思います。

そして最後に申し上げたいんですが、今回の市の監査委員さんから出た意見書の中に、私は大変共鳴を覚えました。平成22年度の決算意見書に監査委員が書いている7行の意見に大変感心をいたしました。市民の方は読むことができないと思いますので、ちょっと読ませていただくと、「国の財政状況は、このたびの東日本大震災に関連する復興財源の確保、さらに円高に伴う企業、雇用環境の悪化が予想されるなど不透明な要因が山積しており、国内外の経済は予断できない状況となっている。今後の市政経営に当たっては、厳しい財政状況を十分に配慮し、経営感覚を強く持ち、事業の必要性、費用対効果等について十分精査検証するとともに、全庁的に情報を共有するなど、組織の垣根を超えた協力、連携を図り、重要課題となっている少子化対策、人口減少対策、活力ある常陸太田市を創出するための施策の取り組みを推進していかれることを期待する」という監査委員さんからの意見でございました。私も全く同感であります。監査委員さんからの意見に沿った市の行政の執行に当たられることを期待して、私の一般質問を終わります。

執行部からの答弁

議長:答弁を求めます。産業部長。

産業部長:2回目のご質問にお答えいたします。大型店の誘致につきましては、先ほど建設部長が申し上げましたとおり、今後についてはプロジェクトチームを作成しながらそこで検討してまいりたいと考えておりますので、立地の誘導を図ってまいりたいと考えております。

以上です。

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